顧客へのタグ付けや在庫通知、注文に応じた処理など、ストア運営には自動化できる作業があります。Shopify Flow(ショッピファイフロー)は、トリガー、条件、アクションを組み合わせて、こうした作業を自動化するEC自動化ツールです。活用することで、業務効率化や生産性向上に役立ちます。一方、意図どおりに動かすには、設定を確認し、条件や実行経路をテストすることが重要です。
この記事では、Sidekick(サイドキック)でのワークフロー作成や有効化前のテスト、実行中のワークフローのキャンセルなど、Shopify Flowの新しい自動化機能の使い方と、利用時の注意点を紹介します。

Sidekickでワークフローを作成する方法
Shopify Flowでは、Shopify公式AIアシスタントのSidekickに自然な言葉で指示を出して、ワークフローを作成できるようになりました。生成した内容はワークフローエディタで確認し、必要に応じて修正できます。
手順は以下のとおりです。
- デスクトップ端末でShopify Flowを開く:管理画面からFlowを開き、Sidekickのアイコンをクリックします。なお、Sidekickでワークフローを生成するには、デスクトップ端末が必要です。
- 自動化したいワークフローの内容を伝える:何をきっかけに、どのような処理を行いたいのかを自然な言葉で入力して送信します。たとえば、「いずれかの商品バリエーションの在庫数が5未満になったら、メールで通知して」と指示します。するとSidekickは、在庫数の変化をトリガーに、「在庫数が5未満である」という条件と、「メールを送る」というアクションを組み合わせます。
- 生成されたワークフローを確認し調整する:Sidekickの回答に表示されるボタンからワークフローを開き、トリガー、条件、アクションを確認します。複雑なワークフローでは業務固有のロジックが反映されず、調整が必要な場合があります。必要に応じて手動で編集するか、Sidekickとの会話を続けて更新します。
- テストして有効化する:生成されたワークフローは初期状態では無効です。内容をテストし、問題がなければ手動で有効にします。
アクションには、タグの追加や在庫の更新などストアに変更を加えるもの、メールやSlack(スラック)で通知するもの、外部のアプリやサービスで処理を実行するものなどがあります。外部のアプリやサービスでアクションを実行させるには、対応するFlowコネクターが必要です。すべてのアプリやサービスにコネクターがあるわけではなく、利用できるアクションはコネクターによって異なります。利用できるアプリは「Shopify Flowと連携するアプリ」から確認できます。
また、アクションが必要とするデータがワークフローに渡されていないと、エラーが発生することがあります。生成後は、各アクションに必要な情報も確認しましょう。
詳しい手順は、「Shopifyヘルプセンター:Sidekickでワークフローを生成する」をご覧ください。

ワークフローエディタで設定を編集する方法
Shopify Flowのワークフローエディタを活用することで、トリガー、条件、アクションのつながりを視覚的に確認でき、ワークフローの構造が理解しやすくなります。新しいワークフローエディタでは、ワークフローを縦方向に整理できるようになり、視認性が向上しました。
使い方は以下のとおりです。
- ステップの設定を確認、編集する:トリガー、条件、アクションのいずれかのステップをクリックすると、左側に設定パネルが開きます。ステップ間は矢印でつながっており、ワークフローの流れを確認できます。
- ステップを手動で移動する:ステップをドラッグ&ドロップして、エディタ内の任意の場所に配置できます。移動しても、ステップ間の矢印による接続は維持されます。複数のステップをまとめて動かすには、Shiftキーを押しながら対象を選択し、灰色のグループボックス内にあるステップをドラッグします。
- ワークフロー全体を自動で整理する:エディタ下部の「ワークフローを整理」アイコンをクリックし、「ワークフローを配置」をクリックします。ステップ間に既定の間隔が自動で挿入され、レイアウトが整理されます。
ステップはキャンバスに置いただけでは、ワークフローに組み込まれません。動作させるには別のステップと接続し、矢印で経路をつなぐ必要があります。既存ステップ上の「+」から条件やアクションを追加すると、前のステップに自動で接続されます。
詳しい操作方法は、「Shopifyヘルプセンター:Shopify Flowのワークフローエディタを使用する」をご覧ください。

有効化前にワークフローをテストする方法
Shopify Flowに新しく追加されたテスト機能を活用すると、ワークフローを有効化する前に、実際のストアデータやシミュレーションデータを使ってロジックが正しく動作するかを確認できます。
手順は以下のとおりです。
- テストイベントを用意する:実際に記録されたイベントを使用するか、シミュレーションイベントを手動またはSidekickで作成して使用します。
- テストを実行して経路を確認する:選択したイベントに応じて、ワークフローが進む経路がエディタ上に表示されます。条件やアクションの「プレビュー」タブをクリックすると、変数が正しいデータを表示しているかを確認できます。
- 各ステップが有効か確認する:ワークフローは作成途中でもテストできますが、すべてのステップが有効な状態である必要があります。
テストイベントには、実際の注文や商品など、ストアにあるデータを使うこともできます。メールなどに顧客名や注文情報を差し込む際は、Shopifyのテンプレート言語Liquid(リキッド)の変数が、想定どおりの値を表示するかも確認できます。
なお、テスト中に注文や商品の更新、通知の送信などは行われず、ストアのデータも変更されません。ストアに変更を加える最初のアクションに達すると、テストは停止します。また、外部サービスに接続するアクションはシミュレーションできないため注意が必要です。
詳しい手順は、「Shopifyヘルプセンター:Shopify Flowでワークフローをテストする」をご覧ください。

ワークフローの実行をキャンセルする方法
今回のアップデートにより、実行中のワークフローを途中でキャンセルできるようになりました。ワークフローは、個別に、または複数まとめてキャンセルできます。
キャンセル方法は以下のとおりです。
- 対象のワークフローを開く:デスクトップ端末でShopify管理画面の「アプリ」から「Flow」を開き、対象のワークフローを選択します。「最近の実行」から、キャンセルする処理を確認します。
- 個別にキャンセルする:対象の処理を開き、詳細画面で「キャンセル」を選択します。
- 複数をまとめてキャンセルする:「最近の実行」で対象の処理を選び、「実行をキャンセル」をクリックします。
キャンセルできるのは「実行中」または「レート制限」の処理です。「実行中」は実行中または再試行中の処理を指し、「レート制限」はリソースの使用量が多く、Flowによって制限されている処理のことです。キャンセルは、APIの制限を避けたい場合や、ワークフローが意図どおりに実行されていない場合に役立ちます。
完了した実行はキャンセルできず、キャンセル済みの処理も再開できません。再度実行するには、自動的にトリガーされるのを待つか、処理を再試行するか、新しく処理を開始します。キャンセルしてもワークフロー自体はオフにならないため、処理を完全に止めるにはワークフローをオフにします。
実行ログでは、開始時刻やステータス、完了したアクション、ステップごとのエラーを確認できます。ログは実行完了後14日間保存されます。
詳しい操作方法は、「Shopifyヘルプセンター:ワークフローの実行の検索と監視」をご覧ください。
まとめ
Shopify Flowの新機能により、ワークフローの作成から運用管理まで、ECの自動化を進めやすくなりました。Sidekickに指示して作成した後は、トリガー、条件、アクションが実際の業務の流れに合っているかを確認しましょう。条件分岐がある場合は、条件を満たすケースと満たさないケースの両方をテストすると、想定外の動作に気づきやすくなります。
自動化を始める際は、まず繰り返し発生する業務を一つ選び、例外となるケースも含めて動作を確かめることがポイントです。業務や商品構成が変わったときは、ワークフローの条件も見直しましょう。確認とテストを経てから有効化し、実行状況を見ながら必要に応じて調整していきましょう。
Shopify Flowの自動化機能に関するよくある質問
Sidekickが生成したワークフローは自動で有効になる?
いいえ。初期状態では無効です。内容を確認、テストした後、手動で有効にします。
作成途中のワークフローもテストできる?
はい。作成途中でもテストできます。ただし、すべてのステップが有効な状態である必要があります。
Shopify Flowのテスト中に通知の送信やストアデータの更新は行われる?
いいえ。注文や商品の更新、通知は実行されず、ストアのデータも変更されません。
完了したワークフローの処理をキャンセルできる?
いいえ。キャンセルできるのは「実行中」または「レート制限」の処理です。キャンセル済みの処理も再開できません。
Shopify Flowの実行ログは何日間保存される?
実行完了後14日間保存されます。14日を過ぎると削除され、利用できなくなります。




