自社に適した会計ソフトを選ぶことは、日々の業務効率化を図るために重要な要素のひとつです。日々の経費や売上の管理に加えて、財務報告書や長期的な財務計画の作成と分析など、幅広い業務に活用できます。そのため最適なソフトを選ぶには、必要な機能を見極めることが大切です。
この記事では、Shopify(ショッピファイ)との連携も可能で、世界的に広く利用されているクラウド会計ソフトのXero(ゼロ)とQuickBooks(クイックブックス)の機能や特徴を比較しながら紹介します。両ソフトとも表示言語やサポート、税制等の面で日本向けには対応していませんが、グローバル展開を行う中小企業から高く評価される会計機能を確認し、自社に適した会計ソフトの選定に役立ててください。

Xeroとは
Xero(英語)とは、2006年にリリースされた中小企業向けのクラウド会計ソフトです。初めて使用する場合でも直感的に操作ができるように配慮された、シンプルなインターフェイスが特徴となっています。
Xeroの機能
- オンライン請求書発行:請求書の発行や定期請求書の設定、支払い状況の追跡をオンライン上で行うことができます。顧客への支払リマインダーや請求書からの直接決済などにより、適切なキャッシュフロー管理をサポートします。
- 銀行取引照合:銀行のデータと連携し、取引情報を自動的に取り込むことが可能です。会計記録と照合することで、リアルタイムで残高や資金情報を管理できます。さらに、AIが取引の分類方法を学習し、適切な勘定科目に振り分けることもできます。
- 経費管理:領収書をスマホで撮影しアップロードできるだけでなく、精算業務もシンプルかつ迅速に処理可能です。アプリを使用すれば移動時にも経費の請求ができます。
- 在庫管理:在庫レベルの追跡や在庫商品の管理、売上原価(COGS)のモニタリングといった基本的な在庫管理機能がついており、利益率や商品の売れ行きなどを把握できます。より高度な在庫管理ツールが必要な場合、Xeroのアプリマーケットプレイスから連携アプリを追加することが可能です。
- 多通貨会計:外貨建取引の換算処理を簡略化できる多通貨会計に対応しているため、グローバル展開を行う企業にも適しています。レポートも自国通貨または外国通貨で表示でき、為替変動がキャッシュフローや利益に与える影響をリアルタイムで把握できます。
- プロジェクト管理:プロジェクト毎に経費や作業状況を監視し、かかったコストや時間、収益性を明確化することができます。財務状況を示すダッシュボードは、予算に対するプロジェクトの進捗を把握可能とし、納期の順守に効果を発揮します。
- レポート作成:損益計算書や貸借対照表などの主要財務レポートを作成できます。最新の会計レポートの確認や実績に基づく予算作成、毎月の実績と予算の比較などは、日々の業務にも活用できます。
- ユーザーアクセス:ユーザー数の上限がなく、各ユーザーがアクセスできる権限の設定も可能なため、必要に応じて関係者と最新情報を共有できます。
- わかりやすいダッシュボード:初めて使用する場合でも直感的に使用できるダッシュボードを採用しており、必要な情報にアクセスしやすくなっています。
- Shopify連携:Shopifyアプリストアで、ECサイトと連携させるためのXeroやCloudify Xero Integration、Parex ‑ Xero Bridgeなどが公開されています(いずれも日本語未対応)。売上や配送料、手数料などをXeroのアカウントと自動同期させることで、常に最新のキャッシュフローや売上の確認ができます。
Xeroの料金プラン
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プラン |
月額料金 |
特長 |
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Lite |
月額7米ドル |
個人事業主の簡単な帳簿管理や副業向け。毎月の請求書発行上限は5件まで、オンライン決済の受付やリアルタイムレポートの確認などができます。 |
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Starter |
月額29米ドル |
小規模事業者や個人事業主向け。請求書発行上限は20件まで、銀行データとの連携やキャッシュフロー予測、事業パフォーマンスのグラフ化などの機能が提供されます。 |
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Standard |
月額50ドル |
取引量の多い個人事業主や、ビジネス拡大中の事業主向け。請求書発行上限がなく、プロジェクト管理機能が利用できます。パフォーマンスダッシュボードはカスタマイズも可能です。 |
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Premium |
月額75米ドル |
複雑な会計処理や規模の大きなビジネスにも対応できるプラン。多通貨会計や業界におけるベンチマーキング機能も利用できます。 |
(Xeroは2026年11月1日以降値上げ(英語)をすることを発表しています。)
また、このほかにもニーズに合わせて追加できる拡張機能もあります。
Xeroのメリットとデメリット
メリット
- アクセスユーザー数の上限なし:社内のスタッフだけでなく、会計士などの関係者も同じアカウントで作業を行うことが可能です。
- Shopify連携:売上連携機能を使うことで、Shopifyの売上や返金、決済手数料を自動で同期することが可能で、手入力による作業が不要となります。
デメリット
- 請求書発行件数の制限:LiteやStarterプランでは請求書発行件数に上限が設けられています。
- 多通貨における価格設定:多通貨会計機能を利用するには、Premiumプランが必要です。
- 追加費用:給与計算や高度な在庫管理などの機能を使いたい場合、別途アプリや追加料金が発生します。

QuickBooksとは
QuickBooksとは、アメリカ市場で高いシェア率を誇る会計ソフトです。さまざまな業界や規模のビジネスに対応でき、請求書作成や経費精算、財務レポート作成などの機能を備え、AIによる自動化も可能となっています。
QuickBooksの機能
- オンライン請求書発行と決済受付:請求書は自社のブランドイメージや内容に合わせてカスタマイズ可能で、オンライン決済の受付や支払いのスケジュール設定などができます。
- 経費管理と銀行データ連携:銀行口座やクレジットカードから取引データを自動同期でき、効率的な財務記録を可能とします。モバイルアプリから領収書の写真を撮影することで取り込み、自動で分類することもできます。
- 在庫管理:売上原価の追跡や在庫管理といった在庫追跡機能を利用できます。
- プロジェクト管理:プロジェクト毎の収益性追跡やスタッフの人件費管理、経費管理が可能です。
- レポート作成:損益計算書や貸借対照表、売掛金や試算表などの各種財務レポートの作成ができます。
- 給与計算と時間管理:給与の支払いやスタッフの勤務時間管理機能を備え、勤怠管理の効率化が図れます。
- 多通貨会計:Essantials以上のプランでは、多通貨会計が可能となるため、グローバル展開している企業にも最適です。
- 拡張アプリ:数あるサードパーティ製アプリから拡張機能を追加することで、自社に必要となる機能を追加できます。
- Shopify連携:QuickBooks OnlineやParex - QuickBooks Bridgeなどのアプリを追加すれば、ShopifyのストアデータとQuickBooksを自動同期することができます(いずれも日本語未対応)。
QuickBooksの料金プラン
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プラン |
月額料金 |
ユーザー数 |
特長 |
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Free |
無料 |
1 |
クレジットカードの登録不要で利用できるプランです。請求書発行上限は月間2通まで、収入と出費の追跡や損益計算書の作成が可能です。 |
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Simple Start |
月額38米ドル |
1 (+会計士用アクセス権2) |
請求書発行やレポート作成などの機能が利用できます。Intuit IntelligenceというAIを使った機能も利用可能です。 |
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Essentials |
月額85米ドル |
3 (+会計士用アクセス権2) |
年次帳簿データを素早く整理する機能や、請求書の一括自動発行、スタッフの作業時間を請求書に追加する機能、多通貨会計などが利用可能です。 |
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Plus |
月額140米ドル |
5 (+会計士用アクセス権2) |
銀行取引の自動認識・振り分け機能が付いており、在庫管理やプロジェクトの収益性管理、予算管理などの機能があります。 |
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Advanced |
月額340米ドル |
25 (+会計士用アクセス権3) |
ダッシュボードのカスタマイズ機能やワークフローの自動化といった機能だけでなく、サポートやトレーニングを優先的に受けられる権利が付属します。より高度な機能や複雑な会計処理が必要な企業に最適です。 |
QuickBooksにおける会計士向けのアクセス権は、通常のユーザー用とは別で付与される仕組みとなっています。
QuickBooksのメリットとデメリット
メリット
- レポート作成:さまざまなレポートの作成ができ、財務報告に必要な書類を円滑に作成できます。プランによっては店舗ごとや製品ラインごとの収支と経費の比較も可能です。
- Shopify連携:Shopifyアプリを使って連携すれば、商品情報や売上、決済詳細などを同期させることができ、ストアの取引照合にかかる時間を削減できます。
デメリット
- ユーザー数の制限:PlusやAdvancedプランでもユーザー数に制限があり、予め会計ソフトを使う人を決めておく必要があります。
- 高度な機能はプランのアップグレードが必要:在庫追跡やプロジェクト管理機能などはPlusプラン以上のサブスクが必要となるため、複雑な会計処理やさまざまな機能が必要となる場合には上位プランを利用する必要があります。
- 別途でサブスクリプション料金がかかる場合がある:給与計算などの機能は、サブスクリプション料金が加算されます。

XeroとQuickBooksの比較
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Xero |
QuickBooks |
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ターゲット層 |
無制限のユーザーアクセスを求める企業やリーズナブルな会計ソフトを探している企業向け。 |
在庫管理や無制限の請求書発行、高度な財務分析などを必要とする企業向け。 |
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月額料金 |
Lite:月額7米ドル Starter:月額29米ドル Standard:月額50ドル Premium:月額75米ドル |
Free:無料 Simple Start:月額38米ドル Essentials:月額85米ドル Plus:月額140米ドル Advanced:月額340米ドル |
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ユーザー数 |
無制限 |
Free:1 Simple Start:1(+会計士用2) Essentials:3(+会計士用2) Plus:5(+会計士用2) Advanced:25(+会計士用3) |
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月間請求書発行数 |
Lite:5 Starter:20 Standard、Premium:無制限 |
無制限 |
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月間請求書受領数 |
Starter:5 Standard、Premium:無制限 |
無制限 |
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無料トライアル |
30日間 |
30日間 |
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主な機能 |
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モバイルアプリ |
iOSおよびAndroid |
iOSおよびAndroid |
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使いやすさ |
初心者でも操作しやすいインターフェイスを採用している。 |
使いやすいがセットアップに時間がかかることがある。 |
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Shopify連携 |
可能 |
可能 |
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給与計算 |
Gusto(サードパーティ製アプリ)などとの連携で可能 |
QuickBooks Payrollとの連携で可能 |
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カスタマーサポート |
24時間年中無休のオンランサポート |
24時間年中無休のオンランサポート、電子メールでのサポート |
まとめ
人気の会計ソフトのXeroとQuickBooksは、それぞれ異なった特徴を持っています。いずれもShopifyのECサイトと連携でき、グローバル展開する企業の効率アップには最適であると言えるでしょう。
機能面や価格面からXeroとQuickBooksの比較は、自社に合ったサービスはどちらかを判断する際の材料となります。これらの情報の他にも、小規模ビジネス向けのおすすめ会計ソフトの記事も参考にしながら、自社の会計ソフト選定の参考にしてください。
XeroとQuickBooksの比較に関するよくある質問
Xeroのメリットとデメリットは?
Xeroのメリットは、ユーザー数に上限がなく利用でき、Shopify連携でECサイトの売上や決済手数料と会計ソフトを同期できる点です。一方でデメリットとしては、下位プランでは請求書発行件数の上限や多通貨会計機能に制限があること、給与計算等の機能を使う場合には別途料金が発生する点が挙げられます。
QuickBooksのメリットとデメリットは?
QuickBooksのメリットは、財務報告に必要なさまざまなレポート作成ができることと、Shopifyとの連携によりストア管理が円滑化することです。デメリットは、ユーザー数に制限があること、高度な機能は上位プランが必要となること、場合によっては別途でサブスクリプション料金がかかることが挙げられます。
XeroとQuickBooksはどちらを選ぶべき?
XeroもQuickBooksも優れた会計ソフトですが、自社の必要性に合わせて選ぶことが重要です。無制限のアクセス権が必要な場合はXeroが適していると判断できる一方で、在庫管理やより複雑な会計機能を必要とする場合にはQuickBooksが最適です。




